徒然に読書の記録をする。

過去から現在の読書の記録。

【国内】時代小説

たぶんねこ / 畠中 恵

すっかり家で本を読む習慣が減ってしまった。家にいると、ついつい書くほうに気持ちがもって行かれる。長時間の移動もないから、余計に。それでも、気になる作品はあるわけで、相方が買ってきてくれる本は積読になってしまう。だから、病院で長時間の点滴を…

旅立ノ朝 / 居眠り磐音 江戸双紙 51 / 佐伯 泰英

いよいよ完結である。正月明け2巻同時刊行って、終わっちゃうんだ、と思ってた身としては気持ちよく一気読みさせてもらった気分。これも点滴中に半分くらいまで読みおえて、家につくころには残り数ページになってた。いつもみたいにサクッと読んでたつもり…

竹屋ノ渡 / 居眠り磐音 江戸双紙 50 / 佐伯 泰英

病院の待ち時間に読むつもりで持って行ったら、案の定、読み切ってしまった(笑)。まぁ、長時間の点滴のせいもあるんだけど。いつもよりも、じっくり読めた。あのリクライニングチェアーのおかげかもしれない(笑) 14歳になった坂崎空也は、晴れて入門を…

店仕舞い 鎌倉河岸捕物控 27 / 佐伯泰英

実は入院する直前に平積みしてあるのに気が付いていたのに、今度でいいや~、なんて思ってたら、近所のTUTAYAでは完売になってたという。で、結局、退院してから読み始めたんだけれど。いつもなら、一気に読みきってしまう佐伯さんの本。今回の物語の展開の…

人間の檻 獄医立花登手控え / 藤沢周平

最終巻である。毎回、さぼっているように見えるのだが、これが牢獄の仕事もすれば、叔父のかわりに代診にいき、事件まで解決してしまう。しかし、その彼も、年貢の納め時というか、従妹と婚約し、大阪へ医学の修行へ旅立つ。いわゆる実は大名のお子様で、な…

愛憎の檻 獄医立花登手控え / 藤沢周平

どの作品もどことなく寂しい男と女の生き様の作品が多い気がする。「奈落のおあき」など、従妹の仲のよかった娘がまさに奈落に落ちていくさまなど、悲しい気がするのだ。しかし、その中でも、昔はお転婆というよりも不良娘だったおちえが、かいがいしく登の…

風雪の檻 獄医立花登手控え / 藤沢周平

登と同じ柔術の道場仲間の新谷が、最近様子がおかしい。道場へ行くといって家をでるのだが、道場にくるでもなく深川あたりで飲みまわってるという。新谷の行方を追う登の前に立ちはだかる悪。この巻では、前の巻まで不良娘だったおちえが、登に助けられて以…

堪忍箱 / 宮部みゆき

ここのところ、宮部さんの作品が続いてでている気がする。今回は短編集。江戸の下町のそこはかとない哀愁がただよう作品たちである。わからないのが、タイトルとなっている「堪忍箱」。「十六夜髑髏」はわからないなりに、おさまりがつくんだけど、「堪忍箱…

春秋の檻 獄医立花登手控え / 藤沢周平

藤沢周平ははじめてかもしれない。時代ものというと、大きな歴史ものがほとんどなのと、なんか物悲しい印象があって、あまり手にしてなかったんだが、今回、たまたま手にした、この本は、あたりだったかも。主人公の医者の立花登は希望に燃えて江戸で開業し…

天狗風 / 宮部みゆき

時代小説でいいんだろうか(笑)。どちらかというと伝奇モノ?のような気もするが。不思議な力を持つお初と、算学の道場に通う右京之介が、神隠しにあった娘たちを追う。久しぶりに、お初登場の作品を読んだ。それだけに、前作ってどんなんだっけ?と思って…

滝夜叉 / 皆川博子

ちょっとジャンル分けに迷った。時代的には平安時代、平将門、藤原純友の乱の頃。主人公は彼らではなく、その息子、娘たちである。しかし、本当に彼らにそのような子供がいたのか、ちょっと歴史を勉強した私程度では、わからない(笑)。主な視点は、「じさ…

魔界転生 下 / 山田 風太郎

将軍家病篤し、の報にふれ野望大きい紀伊大納言は江戸へ登ろうとする。その行く手をさえぎる柳生十兵衛。男のロマン~、じゃないけれど、剣豪たちの熱い思い、闘うことへの飽くなき欲望が、ぐいぐいと先を読ませる。敵方の女忍者が十兵衛に惚れたりするのを…

魔界転生 上 / 山田風太郎

ぢるちくんオススメの本(笑)。映画を何年も前に見ていてイメージは「ジュリー」なんだよな(笑)(ジュリーでよかったよねぇ?(^^;)それが思い切りくつがえされた感じである。まさに魔人たちが、なぜ、その道を選んだのか、がこの上巻では語られる。…

浮沈 / 池波正太郎

タイトルは、小兵衛が敵討ちを助太刀した若者と、敵の側の助太刀の剣客山崎の遺児の生き様をあらわしているようだ。敵討ちをして名をあげてもどった若者も、結局は堕落している姿を見ることになる小兵衛。また、金貸しの息子、伊太郎が父親の首を盗みに行く…

暗殺者 / 池波正太郎

大治郎をも倒してしまうかもしれない、と、小兵衛をうならせた剣客、波川周蔵。やがて偶然にも大治郎襲撃の計画を知るや、その陰謀と波川とのつながりを確信するまでにいたる。この作品では、小兵衛が大治郎のために東奔西走する姿が、少し、年老いたかな、…

波紋 / 池波正太郎

タイトルになっている作品では、大治郎が狙われる。しかし、この作品くらいになると、大治郎も落ち着いたもので、多少のことではあわてない。大治郎の妻、三冬の父、田沼意次がいるせいか、大治郎の話になると、話が大きくなってしまう。私には、まだ小兵衛…

十番斬り / 池波正太郎

「剣客商売」はどの作品も印象的でこれがいい、というのがありすぎて困る。今回の作品では、やはり表題の「十番斬り」がいいかもしれない。病におかされながら村に住み着いた浪人どもを始末するのを最後の仕事と心に決めて、剣をにぎる中年の剣客とそれに助…

勝負 / 池波正太郎

父から試合に、「負けてやれ」といわれ、憮然とする秋山大治郎。相手の谷鎌之助は、この勝負に仕官がかかっていた。表題の「勝負」は、まわりの人間のなんとも簡単にいう「負けてやれ」というのには、理解はできるものの、本人にしてみれば、納得いかないこ…

春の嵐 / 池波正太郎

剣客商売の初の特別長編。「秋山大治郎」とわざわざ名乗って、辻斬りを繰り返す、頭巾の侍。それも、義父の田沼意次と松平定信の家臣ばかりをねらう。そのために、大治郎は窮地にたたされる。今回は、剣客商売オールキャスト、とでもいえそうな登場人物たち…

秘曲 / 平岩弓枝

これまた久々に平岩氏の作品である。彼女の描く江戸時代の捕り物系の作品は、結構好きだったりする。たぶん、勧善懲悪的な部分が多いからかもしれない。この作品の時代背景は江戸時代末期。いくつもの短編からできあがっているシリーズだ。今回の作品の中で…

その夜の雪 / 北原亜以子

久しぶりに時代小説である。しばらくミステリ漬けだったので、読んでみた。前から気になっていた作家。江戸時代の庶民の生きざまを描いた短編集。率直にいうと、私はあまりのめりこめなかった。池波氏や平岩氏のように好きにはなれなかった、ということか。…