徒然に読書の記録をする。

過去から現在の読書の記録。

デッドリミット / ランキン・デイヴィス

英国首相の兄が誘拐された。兄も、法務総裁という重職にある。誘拐犯の要求は、今、総裁が訴追している殺人事件の真犯人を探し、被告を無罪にすること。最初っから、被告は無罪なのはわかってしまう。多少、ふりまわされるのかと思ったが、一貫して被告は無…

クッキング・ママの告訴状 / ダイアン・デヴィッドソン

クッキング・ママのゴルディ。せっかくトムが一生懸命作ってくれたキッチンなのだが、残念なことに郡の衛生局の抜き打ち調査で一時休業を言い渡されてしまった。その間の仕事として、アーチの親友トッドのママの紹介で、テレビ番組にでることに。今回は、出…

浮沈 / 池波正太郎

タイトルは、小兵衛が敵討ちを助太刀した若者と、敵の側の助太刀の剣客山崎の遺児の生き様をあらわしているようだ。敵討ちをして名をあげてもどった若者も、結局は堕落している姿を見ることになる小兵衛。また、金貸しの息子、伊太郎が父親の首を盗みに行く…

暗殺者 / 池波正太郎

大治郎をも倒してしまうかもしれない、と、小兵衛をうならせた剣客、波川周蔵。やがて偶然にも大治郎襲撃の計画を知るや、その陰謀と波川とのつながりを確信するまでにいたる。この作品では、小兵衛が大治郎のために東奔西走する姿が、少し、年老いたかな、…

波紋 / 池波正太郎

タイトルになっている作品では、大治郎が狙われる。しかし、この作品くらいになると、大治郎も落ち着いたもので、多少のことではあわてない。大治郎の妻、三冬の父、田沼意次がいるせいか、大治郎の話になると、話が大きくなってしまう。私には、まだ小兵衛…

十番斬り / 池波正太郎

「剣客商売」はどの作品も印象的でこれがいい、というのがありすぎて困る。今回の作品では、やはり表題の「十番斬り」がいいかもしれない。病におかされながら村に住み着いた浪人どもを始末するのを最後の仕事と心に決めて、剣をにぎる中年の剣客とそれに助…

猫はブラームスを演奏する / リリアン・J・ブラウン

久々にシャム猫ココのシリーズだ。しかし、最新のではなく過去の未訳の作品のひとつ。クィラランが大金持ちになるきっかけになる作品か。クィラランがはじめてピカックスを訪れるのだ。すでに今までのシリーズを読んでいる人にとっては「なるほど。そういう…

猟犬クラブ / ピーター・ラヴゼイ

ずっと読んでみたかった作品。というのも、以前入っていたミステリのサークルの名前の由来になった作品だからである(すでに、そのサークルは消滅してしまったが)参加者のほとんどが、面白いといっていたので、かなり期待して読み始めたが、うむ、面白かっ…

アイトン・フォレストの隠者 / エリス・ピーターズ

修道院にあずけられていた10歳のリチャードは、父親の死により荘園主となった。彼の祖母の野心によりリチャードに隣接した荘園の娘との結婚をせまる。そんな時に、祖母に近づいた隠者。今回は、リチャードが大活躍?と思ったが、シーンがいくつもに分かれる…

代価はバラ一輪 / エリス・ピーターズ

ジュディス・パールは若くして未亡人となった。そして町でも資産家であった。その彼女が夫との思い出の家を修道院に毎年咲くバラ一輪を代価に寄贈した。その彼女が毎年の代価が支払われる時期に行方不明となる。今回は、カドフェルはどちらかというと、パー…

勝負 / 池波正太郎

父から試合に、「負けてやれ」といわれ、憮然とする秋山大治郎。相手の谷鎌之助は、この勝負に仕官がかかっていた。表題の「勝負」は、まわりの人間のなんとも簡単にいう「負けてやれ」というのには、理解はできるものの、本人にしてみれば、納得いかないこ…

ルアーの角笛 グインサーガ79/ 栗本 薫

久々にグインが登場したと思ったら、後半はイシュトヴァーンにとられてしまうのはなんともくやしい(笑)。しかし、いつまでたっても子供でこまるのは、シルヴィアだ。ハゾスではないけど、苦々しく感じる人が多いに違いない。しかし、かといってオクタヴィ…

竜王戴冠 2 〈竜王の壁〉を越えて / ロバート・ジョーダン

アル=ソアは、アイール人を引き連れてケーリエンを目指す。アイール人のアビエンダの様子は、どうみてもアル=ソアに気があるように思えるのだが。どうにも、この作品の中の女性たちの気持ちを、お互いにわかりあっていないところがイライラする(笑)。よ…

春の嵐 / 池波正太郎

剣客商売の初の特別長編。「秋山大治郎」とわざわざ名乗って、辻斬りを繰り返す、頭巾の侍。それも、義父の田沼意次と松平定信の家臣ばかりをねらう。そのために、大治郎は窮地にたたされる。今回は、剣客商売オールキャスト、とでもいえそうな登場人物たち…

門前通りのカラス / エリス・ピーターズ

院長がつれてきた新任の司祭。なんとも人間味のないというか、堅物の人物がやってきた。町中の人間に嫌われたのはいうまでもない。子供たちにも簡単に手をあげ、人々に許しをあたえるのがその仕事であったのに。また同時に、女帝モードの密偵が、シュルーズ…

秘跡 / エリス・ピーターズ

修道士カドフェルシリーズ。ハイド・ミードの修道院から二人の修道士がシュルーズベリに逃れてきた。十字軍に従軍し負傷した修道士と、その看護する口のきけない修道士。今回は殺人はおきない。一人の尼僧になるといって家をでた女性の行方を探すことが中心…

悪意の楽園 / キャロリン・G・ハート

キャロリン・G・ハートの最新作かな。今回は、ヘンリー・Oの夫の死についての真相を追う。後半は完全に舞台はハワイになるんだけど、やはり一度旅行でいってると、イメージがわきやすいものだ(笑)。ヘンリー・Oのシリーズはどれも、ぐいぐいと引っ張られ…

憎しみの巡礼 / エリス・ピーターズ

修道士カドフェルシリーズである。なかなか本屋さんで見つけられないのが、たまにきず。まとめて買わないと、すぐに買えないのが困るところだ(笑)。カドフェルのシリーズは舞台は中世のイギリス。今回は、昔の事件とからみながら過去の登場人物などもでて…

災いの小道 / キャロリン・G・ハート

キャロリン・G・ハートというと、ミステリー書店の経営者アニーのシリーズを連想する方も多いのではないだろうか。この本は、元新聞記者・ミステリ作家のヘンリー・Oが主人公のシリーズの第3作目である。素直にいえば、アニーのシリーズよりも、こちらのシリ…

竜魔大戦 3 それぞれの旅立ち / ロバート・ジョーダン

なんでかねぇ、ほんと性格悪い女性ばっかりでてくる(笑)。よっぽど作者は女嫌いなのかなぁ(^^;この巻では、石城に集まった仲間たちが、再びそれぞれに旅だって行くのだ。ついつい男性陣を応援したくなる。強いて言えば、エレイン王女が一番まともなんじ…

東の海神 西の滄海 / 小野不由美

気が付いたら本屋さんで売っていた(笑)すっかり忘れた頃に出てくれるのでうれしい。一番最初にでた「月の影…」にも出てくる六太と尚隆の物語である。彼らの生まれた時代は、どうも室町くらいのように思ったのだけど、どうだろう。よくある馬鹿殿のふりをして…

まどろみ消去 / 森博嗣

森氏の作品では初めて読む短編集である。正直に言おう。どうも、イマイチである。確かに、いくつかは巧いなと思う作品もある(虚空の黙祷者)。しかし、ときどきアニメちっくな作品があったり、読者の錯覚を導く作品が多い気がする。錯覚ものは、一つ二つだ…

猫は鳥と歌う / リリアン・J.ブラウン

今回は、ちょっと犯人が見え透いてる。しかし、長年の悪役が今回は決着がつくのがみものか?しかし、明確な殺人事件がなかなかでてこなかったのには、ちょっと物足りなさを感じた。まぁ、後半(ほんとに最後に)に事件は起きる感じだけどね。 猫は鳥と歌う (…

ターン / 北村薫

「スキップ」を読んでいたので、また時間の流れを使ったお話だというのは、すぐにピンときた。29歳の真希は夏の午後、自動車事故に出会う。しかし、目が覚めると、いつも通りの家、しかし、この世界には人がいなかった。毎日同じ日がくりかえされて、150日を…

死への婚礼(死を呼ぶ婚礼) / エリス・ピーターズ

初老の男と18歳の娘が政略結婚する日に、肝心の男が死体となってしまった。まぁ、よくあるパターンだな、と思ったが、意外な枝葉がでてきたり。昔の人って、純真なのね…なんて思ってみたり(^^;今回もわくわくさせていただきました(笑)。 死を呼ぶ婚礼―修…

「化かされた古狐」亭の憂鬱 / マーサ・グライムズ

絶対に手に入らないと思っていた。たまたま入った古本屋さんで手に入れたのだ。本の後ろを見ると、なんと初版本。うふ。とっておこー(笑)。この作品は、パブシリーズの中でも、2冊目に発行されたけれど、絶版になってしまったのだ。リチャード・ジュリーもま…

悪意のM / スー・グラフトン

久々にキンジー・ミルホーンである。今回の作品では、過去にキンジーと関わりのあった男性が登場してくる。探偵のディーツしかり警察官のジョナ・ロブしかり。今キンジーにとってはディーツが一番肌が合うのだろうけど、根無し草のディーツは、落ち着くわけ…

「レインボウズ・エンド」亭の大いなる幻影 / マーサ・グライムズ

前作の「『乗ってきた馬』亭の再会」の直後の話である。まさに延長上にあるといえる。前回の事件に巻き込まれるきっかけになった老女の死がこの作品にもからんでくるのだ。再びアメリカへ。イギリスのイメージとはぜーんぜん違うのに、なぜかすんなり溶け込…

琥珀色のダイアリー / 赤川次郎

爽香シリーズ第5弾である。爽香も、もう19歳。恋のライバルまで現れて、ちょっと微妙な年頃なのである。私的に言えば、恋というよりもまだ友人に近い気がするんだけど<明男それに明男もなんか情けない。母親を思う気持ちもわかるけど、爽香に甘えすぎて…

クッキングママは名探偵 / ダイアン・デヴィッドソン

ずーっと気になってはいたのだ。ようやく読む気になった(笑)。この作品も食べ物がたくさんでてくる。なにせ、主人公のゴルディはケータリング業を営んでいるのだ。…おや?と思ったのは、私の好きなキャサリン・ホール・ペイジのフェイス・シリーズも同じよ…