童話物語 上 大きなお話の始まり / 向山貴彦
妖精に会うと疫病になる、そんな話のある町に住んでいる少女ペチカ。幼い頃に母親を亡くし、日々の生活もやっとのペチカに精神的なゆとりがあるわけもなく、ゆがんだ性格に育ったペチカ。そんなペチカが妖精フィッツと出会うことになる。妖精フィッツは、世界が滅ぶという「妖精の日」のために地上におりてきたのである。最初のシーンで、子猫を死なせてしまう場面が、強いインパクトがあった。子供が読むにはつらいかもしれない。ペチカの状況を理解できる大人が読むほうが、興味深いかも。下巻を読むのが楽しみだ。