たぶんねこ / 畠中 恵
すっかり家で本を読む習慣が減ってしまった。家にいると、ついつい書くほうに気持ちがもって行かれる。長時間の移動もないから、余計に。それでも、気になる作品はあるわけで、相方が買ってきてくれる本は積読になってしまう。だから、病院で長時間の点滴をするときは、貴重な読書タイムになった。
両国を仕切る大貞親分の提案で、大店の跡取り息子3人、塗物問屋の幸七、煙管問屋の小一郎、そして若旦那(廻船問屋の一太郎)が、盛り場での稼ぎを競うことになる。自分の力で仕事を見つけ、稼ぎにつなげるかどうか。しかし、それだけではすまなくなるわけで。(『跡取り三人』)
若旦那、身体が弱いのに、考えなしに挑戦しちゃうところが、兄やたちが心配する原因なんじゃ?(笑)と、毎回思う。そういえば、この大貞親分、「まんまこと」シリーズに出てくる貞の親父殿とみた!(笑)。何気に繋がってるのに気が付くと、ついついニヤニヤしちゃうよね。お見合い騒動(『こいさがし』)に出てくる於こんの子供っぽさにイラつくのは、教育係のおてつさんだけではないはずだ!(笑)。
旅立ノ朝 / 居眠り磐音 江戸双紙 51 / 佐伯 泰英
いよいよ完結である。正月明け2巻同時刊行って、終わっちゃうんだ、と思ってた身としては気持ちよく一気読みさせてもらった気分。これも点滴中に半分くらいまで読みおえて、家につくころには残り数ページになってた。いつもみたいにサクッと読んでたつもりはないんだけどな(笑)
病に倒れた父・正睦を見舞うため、18年ぶりに関前の地を踏んだ坂崎磐音と家族たち。港には温かく迎えに来た家族たちだけではなく、国許の内紛の火種ともいえる中老たちの姿もあった。
この巻で最後なんだなぁ、と思うと、なんとも感慨深い。今回の舞台が関前ということもあるし、1巻の"陽炎ノ辻"を思い起こさせる説明もあって、そこにいるわけでもないのに、懐かしいとか思っている私(笑)。空也の将来が気になるものの、ここで終わるのが、気持ちいい。うん。これで、いいのだ、と思った。
竹屋ノ渡 / 居眠り磐音 江戸双紙 50 / 佐伯 泰英
病院の待ち時間に読むつもりで持って行ったら、案の定、読み切ってしまった(笑)。まぁ、長時間の点滴のせいもあるんだけど。いつもよりも、じっくり読めた。あのリクライニングチェアーのおかげかもしれない(笑)
14歳になった坂崎空也は、晴れて入門を許され、多くの門弟衆とともに稽古三昧の日々。そんな折りに、道場主 坂崎磐音のもとに、遠州相良より1通の書状が届く。時を同じくして、下城の途次に速水左近が磐音のもとを訪れた。
色々な意味で、"いよいよか!"と思った。そして、あの子供だった空也が大人びていることに驚き。物語の中でも存在感が違う。読みながら、ちょっとうるっとしちゃったのは、内緒・・・じゃないね(笑)。
店仕舞い 鎌倉河岸捕物控 27 / 佐伯泰英
実は入院する直前に平積みしてあるのに気が付いていたのに、今度でいいや~、なんて思ってたら、近所のTUTAYAでは完売になってたという。で、結局、退院してから読み始めたんだけれど。いつもなら、一気に読みきってしまう佐伯さんの本。今回の物語の展開のせいなのか、じっくりと読んでしまった。
豊島屋の隠居・清蔵が「倅に十代目を継がせたいので、その後見方をお願いしたい」と言いに、金座裏にやってきた。同じような時期に、町廻りに出ていた政次たちは、分限者と言われるような大店の岩鞍屋が店を閉じるという旨の張り紙をしていることに不審を抱く。堅実な商いの大店に何が起こったのか。
今までだと、テンポよく話が展開されていくので、その勢いに乗って読んでしまった気がするのだが、今回のは、金座裏も苦労している感じの探索と、血なまぐさい展開が、私の読むスピードを落としていたのかもしれない。今回は(も?)独楽鼠がやらかしてくれるので、そろそろ成長させてやってください、と佐伯先生には言いたいところ(笑)。
- 作者: 佐伯泰英
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2015/11/14
- メディア: 文庫
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鴨川食堂おかわり / 柏井壽
3週間の入院の間、読んだ本はたった3冊。そして続けて呼んだのはこれ。どうもNHKでドラマ化されるらしい、と、帯を見て知ったのだけれど、さっきテレビの録画してるリストを見たら、しっかり録画してた。さすがだ、相方(笑)
忘れられない、でも二度と味わうことができない料理。そんな記憶の中の味を再現してくれるという"鴨川食堂"。訪れる人々のそれぞれの過去の思い出と、再現された料理との再会で、その人にとって幸せな瞬間が訪れる。
病院食で食べ物に飢えている状態で、この本を読むのは、なんとも苦痛だった(笑)。特に中華そばは、絶対に病院では食べられなかったから、余計に食べたくなるっていう。その反動なのだろうか。ここのところ、外出するときにはラーメンが食べたくなる(笑)。
鴨川食堂 / 柏井壽
大宰府オルゴール堂 -独身貴族の探偵帳- / 篠宮あすか
久々にブログ形式での読書の記録を再開した。何度もブログの引越しをしようとして、なんだかしっくりこないパターンで、今では、ブクレコに地味に登録してるんだけど。やっぱり、分類とかが自分の好みではないというか。カテゴリーが表示されないというか。結局、ちゃんと整理されてる感がないってことなんだろう。
なので。
せっかく日常系のブログも再開したこともあるので、ここでまた始めてみようかと思う。その第一弾は、"大宰府オルゴール堂 -独身貴族の探偵帳-"である。
なぜこの作品かというと。まぁ、ぶっちゃけ、私もエブリスタでモノを書いていて、そこで初めて、この作品と出会った。書籍化される前の状態を読んでいるので、若干の違いはあるものの、ほぼ同じお話。でも、やっぱり手にとって読むのは、思い入れが違うというか。
舞台が九州の大宰府、というのも、博多弁大好きなイケメン店主というのも、今まで読んできたミステリー作品とも違って、なかなか新鮮。コージーミステリーというジャンルに該当するのかわからないけど、私好みの軽い感じは好きだ。2つ目の"ウソと独身貴族"の落としどころは、多少違和感がないわけではないが、まぁ、それはそれ、と思えばなんとか(笑)。まぁ、色々考えないで、楽しんで読む作品・・・かな。