徒然に読書の記録をする。

過去から現在の読書の記録。

昔むかしの物語 / アリサ・クレイグ

ひさびさにジュニーとマドックが帰って来た、という感じ。今度の舞台はウェールズ。ウェールズといわれてもピンとこないのが日本人なのだろうな(笑)。しかし、その地方の伝統行事とかは読んでいて面白い。今回は、出だしの感じがマーサ・グライムズに似て…

失投 / ロバート・B・パーカー

ボストンものを探していてまずは、これを読み始めた。ハード・ボイルドか、と思ったけど、あまり嫌な感じはしなかった。なぜか。食事の場面が多いせいかもしれない。主人公はタフで”現代の騎士”だなどと、カバーの裏側には書かれていた。この作品のいいとこ…

聖ペテロ祭の殺人(聖ペテロ祭殺人事件) / エリス・ピーターズ

たとえどんなにいい男でも、事件がおきたら疑ってかかるべきだ。この作品ではずっと、そればかり思っていた。今までの作品の中でも、この作品ほど犯人がバレバレなのもないよな。スティーブン王と女帝モードとの争いも落ち着いて平和なお祭りの中、町の若者…

鳩笛草 / 宮部みゆき

さすが宮部氏である。もう、止められない。3つの短編で成り立つこの文庫。短編の上手い作家は、長編を読んでもはずさない、というのが私の素直な感想。この文庫の2作目の「燔祭」は、6月に上映される「クロスファィア」の序章のようなもの。残念ながら「ク…

風の海 迷宮の岸 / 小野不由美

十二国記の文庫、3冊目である。前回が上下巻だったので、今回も?と思ったら1巻だけでした。今回の主人公は、戴国の麒麟、10歳の泰麒。この主人公も前回同様、蓬莱国(いわゆる我々が生活している世界だな)での生き方に、窮屈な思いをしていたことは確かだ…

「古き沈黙」亭のさても面妖 / マーサ・グライムズ

この巻では、なんとついにジュリー警視も病気もちになってしまった。レイサー主任警視の執拗ないじめのせいだ…と自分では思ってる(笑)。また、ずいぶん分厚いだけあって、話の中で迷子になりそうだった。事件自体は、そんな難しいことではない。ジュリー警視…

ミステリ講座の殺人 / キャロリン・G・ハート

アニーには敬服するばかりである。私だったら、到底あのお姑さんとはやっていけない。どんなに旦那にほれてても、自分がおかしくなるくらいだったら、離婚するな(笑)。今回面白かったのは、3人の女性ミステリ作家(クリスティー・ラインハート・セイヤーズ)…

スキップ / 北村薫

17歳の女子高生の心が、きがついたら42歳の女性の身体に宿っていたら。私では冷静ではいられない。しかし、主人公の女性は、どうにかして新しい世界に順応していこうとしている。家族の協力もあって、なんとか生活をしていくのだ。作者も元高校教諭だけあっ…

薄紫のウィークエンド / 赤川次郎

あっというまに読み終わりました(笑)。帰りの電車と家の30分程度(笑)。やっぱり会話が多いからだよなぁ…。今回は、ちょっと大人な雰囲気です。爽香さん。お父さんが脳溢血で倒れるし、親友の今日子は、あやしげな大学生との恋をしているし。BFの明男とのつ…

封印再度 / 森博嗣

ひさびさ森先生である。このタイトルの付け方、うまいなぁ、と思った。英語のタイトルが「WHO INSIDE」。内容ともぴったりなんだもの。50年前の謎の死と今回の死。そして、その死に場所になる蔵。蔵の中にだれがいたのか。旦那も「きっと、森先生も、自分で…

「五つの鐘と貝殻骨」亭の奇縁 / マーサ・グライムズ

今回は、ずいぶん凝ってるなと思った。なんか、クリスティーっぽい?どう考えても、クリスティー嫌いな作者なんだけどね。毎回、新しいことに挑戦している気もするが。このシリーズのいいのは、登場人物たちのイキイキとした感じ。確かに主人公のジュリーも…

太陽の王と月の妖獣 下 / ヴォンダ・N.マッキンタイア

この作者は、アメリカのSF作家。しかし、うまくフランスの宮廷を描いているような気がする。上巻では、静かな流れしかなかったけれど、下巻からは、怒涛のように出来事が起っていく。「妖獣は、女性なのよ」という彼女の言葉が、誰にも信じてもらえなくて愛…

竜魔大戦1 忍びよる闇 / ロバート・ジョーダン

やっと第四部が始まった。第三部までは5巻ずつだったのだけど、この部は8巻になるらしい。ようやくアル=ソアが自分の意志で動こうとしている。いや、動かないでいるというべき?中心になる人物たちが集まっているので面白い。ミンだけ別行動になっているの…

嵐のルノリア / 栗本薫

今回は怒涛の展開である。ある意味、停滞気味なパロに、ようやく動きがあったという感じ。私の好きなリンダが、どこまでがんばるのかが気になるところ。しかし、あとがきでナリスは死んじゃうのね、というのがわかって、最後のあがきなのかぁ、とも思った。…

太陽の王と月の妖獣 上 / ヴォンダ・N.マッキンタイア

帯にだまされた感じです。”侍女マリー=ジョゼフの恋と冒険”。恋なんかないし、冒険といえるものもないし…。上巻だからでしょうか。恋というには、淡すぎるんですもん(^^;しかし、ファンタジーというかSFなのかしら。舞台がフランスのルイ14世の時代とい…

「独り残った先駆け馬丁」亭の密会 / マーサ・グライムズ

今回はいつもと少し趣が違った。いつもは、プラント氏のような貴族たちが中心にいて、その中に、ジュリー警視が入っていくようなイメージだったのが、今回は警察が中心になっているような感じ。また犯人の思考が始めと終わりに出てくるところも今までにな か…

亜麻色のジャケット / 赤川次郎

杉原爽香シリーズ第三弾。爽香も17歳になって、そろそろ受験の二文字がちらつくようになったものの、あいかわらず、事件に巻き込まれてしまう(笑)。爽香の他にも中心になる恩師布子と河村刑事の仲も気になるところ。今回はこの二人のプロポーズのシーンから…

緋色の記憶 / トマス・H・クック

Kyokoさん選定のこの本。選定者のコメントに納得の1冊。結論が先にあるにもかかわらず、真相は最後まで読まないとわからない。うまく作者にその気にさせられたなぁ、と思った。子供時代と現在の印象の移動がうまい。しかし、回想者が結局犯人(?)というパ…

ハネムーンの殺人 / キャロリン・G・ハート

今回は、主人公のアニーがマックスとの結婚式から話ははじまる。あいかわらず、ミステリー関係のネタがでてくるのが面白い。しかし、アニーのミステリ好きなわりには頭がまわっていないような気がするのはきのせいか?もたもた感が私には感じられた。犯人に…

「跳ね鹿」亭のひそかな誘惑 / マーサ・グライムズ

プラント氏がかわいそうだなぁ、と今回は思ったのである。ポリーには気づいてもらえず、そのポリーだってジュリー警視のことが好きみたいだし。要するに、ジュリー警視が別の人とゴールインしちゃえば、いいんだろうけど、この人ももてるからなぁ…(笑) 今…

日本語の美 / ドナルド・キーン

ドナルド・キーンというと、学生時代に教科書で名前をみた記憶がある。本屋さんで惹かれたのは、タイトルのせいだった。最近、日本語に美を感じなくなった気がしたのだ。読んで見て面白かったのは三島由紀夫や安部公房のような作家についての話。ライシャワ…

寿司屋のかみさんおいしい話 / 佐川芳枝

家の近くの本屋で、いつも気になっていた。表紙の寿司に惹かれていたのだ(笑)。作者は東中野にある寿司屋のおかみさん。文章を読んでいると、ほんとに接客業って大変だな、と思う。好きな人には、なんでもないことかもしれないけど。ぜひ一度、食べに行きた…

少女コレクション序説 / 渋沢竜彦

タイトルからしてかなり妖しげ(笑)。実際にはいくつかの短編からなっているが物語性はなく、研究についての論文のよう。しかし、とりあげている題材は、さすがマルキ・ド・サド公爵の翻訳をしただけあって、性的なものを取り上げているものが多い。しかし…

「エルサレム」亭の静かな対決 / マーサ・グライムズ

この作品で私が読んだのはまだ3作目だが、今のところ、これが一番かもしれない。実際にはシリーズ5作目なのだが、途中の作品と、なかなか出会えないのである。グライムズはアメリ人なのだが、イギリスのあのどんよりとしたイメージをうまく描いていると思う…

修道士の頭巾(フード) / エリス・ピーターズ

この作品ではカドフェルのかつての恋人が登場。恋愛沙汰か?と思いきや、俗世から離れた身の上で、そんなことがおこるはずもなく(笑)。彼女の息子に殺人の容疑がかかりカドフェルが捜査に乗り出すのです。ここしばらく、カドフェルの手伝いが続いて逃げられ…

月の影 影の海 下 / 小野不由美

止められませんでしたね(笑)。すぐに手に入れてしまいました(^^;下巻ではようやく主人公がなぜその世界に行くことになったのかがわかる。しかし、普通の女子高生だったのが、国の王になるというのは、たやすいことではない。そこにいたるまでの彼女の進…

月の影 影の海 上 / 小野不由美

実はずっと気になる作家だし、作品であった。しかし、なにぶんアニメチックな表紙とかは嫌いなので、読む気になれなかったのだが、ようやく文庫になって私的には読めるような環境になったといえる。しかし、読んでがっかりするのは嫌だったので、とりあえず…

死体が多すぎる / エリス・ピーターズ

今回の舞台はカドフェルたちの修道院のそばで、イングランドの王位継承権争いの戦争での事件。戦争の最中、94人が処刑されたのに死体は95人分あるという。普通のミステリだったらここまで大人数の死体は出てこない。確かに多くの死体の中に1体だけ増えても、…

豹頭王の誕生 グインサーガ70 / 栗本薫

そろそろ出るかなぁ、と思って本屋さんをのぞいたら、うふふ、発見しましたよ。今回は、バランスよく3人の話(グイン・ナリス・イシュトバーン)が配されていた。ようやくグインの話が・・・と思った私だったのだが(^^;ようやく話が前に進むような気がし…

スミソン氏の遺骨 / リチャード・ティモシー・コンロイ

某ミステリ掲示板では、スカだという評価、某ユーモアミステリ掲示板では面白いとの評価が分かれた作品。確かにユーモアミステリ好きなら、好意的な評価があるかもしれない。スカ情報を先に知っていたので、そのつもりで読み始める。…私には向いていないらし…